大豆雑学

パンにおける大豆利用の現状と今後の課題

2009-11-17

大豆は約30%がたんぱく質。大豆たんぱく質は必須アミノ酸のバランスに優れ、血中コレステロール低下作用や肥満改善効果などの生理活性化機能がある。脂質は約20%、炭水化物は約25%。がんを抑制する食品としても注目を集めている。

意識調査で「食品で予防できたらいいこと」を聞くと、がんが最も多く、次いで心臓病・動脈硬化、肥満と続く。「健康によい食品としてすすんで食べる食品」でも大豆は上位に入っており、大豆の健康イメージは日本人に定着していることが分かる。日本人の死亡率は2006年時点でがんが最も高く30.4%。次いで心臓病、脳血管疾患だが、これらに大豆は効果的だといわれている。

大豆たんぱく質の血中コレステロール値改善効果については、動物性たんぱく質を大豆たんぱく質に置き換えると総コレステロールが9.3%低下し、悪玉コレステロールが12.9%低下、善玉コレステロールは2.4%上昇する。さらに中性脂質も10.5%減少することが立証されている。

パン生地に酵素活性大豆粉をそれぞれ0.3%、0.5%、1%添加して比べると、焼き色は添加量が増えるほど良くなった。懸念される大豆の青臭みについては0.5%以下が理想的で、1%添加すると少し強くなる。大豆の青臭みの原因はn—ヘキサナールで、リノール酸とリポキシゲナーゼが反応して発生するため、それを抑制すれば出ない。

低脂肪大豆粉については、粒度の粗い「グリッツ」と粉状の「フラワー」をそれぞれパン生地に加えたところ、グリッツは表面に黒い斑点ができたが、フラワーはしっかり混合されて全体的にきれいな焼き色に仕上がった。またグリッツはフラワーよりも少し大きく膨らんだ。「大豆ファイバー」は吸水力が強いのが特徴で、焼き色はやや薄くなる。

大豆粉を使用したパンの膨らみ具合は、体積を重量で割った値で分かる。通常の食パンは4.2で、それ以下だと膨らみが足りない。そのほかにも大豆粉の高配合パン、小麦粉不使用の大豆粉パン、豆腐使用パン、豆腐ドーナッツ、豆乳パンなど多彩な商品が製造・販売されているが、豆乳を添加すると容積にあまり影響が出ないため品質が向上し、ドーナッツだと吸油量の抑制につながり、ベタつきがなくなる。

並木利文氏((社)日本パン技術研究所研究調査部/アメリカ大豆協会日本事務所と(社)日本パン技術研究所共催の「製パン用大豆加工原料セミナー」より)

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