大豆雑学

大豆たんぱく質中のイソフラボンが血中脂質に及ぼす影響

2010-8-3

無作為化割付比較試験(11報)のメタ分析を行ったところ、イソフラボンは大豆たんぱく質画分一の成分として接種される場合には脂質の改善効果があるが、このメタ分析では大豆抽出イソフラボンの単独摂取による脂質への改善効果は認められなかった。

その理由として(1)大豆イソフラボンの脂質改善効果には大豆たんぱく質中の他の増強因子が必要である可能性があること(2)大豆抽出イソフラボンを作製する過程において、アルコール抽出が関連の活性成分を除去する可能性、精製過程でイソフラボンの活性が消失した可能性が考えられること(3)大豆たんぱく質中に含まれるイソフラボンと大豆抽出イソフラボン単体の生体利用性の違いが、脂質に対する効果の相違に関与している可能性も考えられること—の3つが挙げられた。

結果として1〜3か月の1日平均75ミリグラム大豆抽出イソフラボン(アグリコンとして)の単独摂取は閉経期女性において脂質改善効果を認めなかった。中長期の効果と安全性を検証するためには、さらなる研究が必要。

閉経後女性の骨減少における抽出大豆イソフラボンの効果

更年期の女性は、女性ホルモンが低下することで骨量が減少する。70歳を過ぎると男女とも骨吸収が骨形成を上回る。男性の骨量は加齢とともに減っていくが、女性の場合は50歳を過ぎると急激に減少する。

骨粗鬆症は「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されている。通常は形成と吸収が同じ割合で行われるが、女性ホルモンが低下すると破骨細胞が活性化して骨吸収が活発になり、骨量が減って骨粗鬆症になる。女性は60代から急激に増え、男性は80代の約2割が骨粗鬆症。現在は1,000万人の患者がいると推定される。

この骨粗鬆症にイソフラボンがどのような効果があるか。質の高い臨床試験をメタ分析した結果、抽出大豆イソフラボンを1日当たり50〜70ミリグラム摂取すると、腰椎骨密度変化および大腿骨頸部の群間荷重平均差が認められ、閉経後女性の骨量減少を予防する可能性が示唆された。

さらに運動を併用することで、全身体脂肪率の低下を促進する効果もあることが分かった。閉経後4年程度の女性にイソフラボンを毎日摂取しながら1回45分のウォーキングを週3回行ってもらったところ、イソフラボン摂取のみ、またウォーキングのみを行った女性と比べて脂肪率が低下した。骨密度に関しても減少が抑制される結果となった。

このことから大豆たんぱく質および大豆イソフラボンを摂取することはもちろん、運動を加えることで閉経後女性の健康維持に有用だと考えられる。

石見佳子氏(国立健康・栄養研究所食品保健機能プログラムリーダー/近畿地域大豆研究会シンポジウム)



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