大豆雑学

2010米国NON-GMO食品大豆品種のパイプライン

2010-9-6

私なりの定義では、GM大豆は人工的に大豆以外の遺伝子を大豆の遺伝子に組み込んだものだと考えている。米国で初めて栽培されたのは1995年で、その後、急速に増大した。現在の栽培面積は米国、ブラジル、アルゼンチンを合わせて約6,300万ヘクタールにまで拡大している。

GM大豆の技術導入は米国も早かったが、アルゼンチンはそれを上回る勢いで技術開発が進んだ。米国、北米、南米の農家がGM大豆の技術を導入する原動力となった大きな要因の一つが品質で、市場で多く使われている2種類の安価な除草剤のどちらかに耐性があることがGM大豆拡大につながっている。この技術は米国の農家にとっては非常に価値があること。

このような技術を開発したバイオテクノロジー企業は、その技術の使用に対して技術料を得ている。大規模なバイオテクノロジー企業は95年ごろから小規模な種子会社の買収に乗り出している。モンサント社では96年から2008年の間に独立した小規模の種子会社50社以上を傘下に収めた。

米国の生産者はGM大豆に価値を感じているものの、GM大豆は技術料という対価が発生するのに対し、NON+GM大豆はプレミアムが付き、より高い価格で取り引きできるというメリットがある。

民間企業8社と大学を中心とした公的機関(11州の12人の※ブリーダー/家畜や植物などの交配・育種・生産などを行う人)に行ったNON-GM大豆品種のパイプライン調査では、09年に導入した品種は公的機関が20、民間企業は2だった。また10年に導入した、もしくはこれから導入する品種は公的機関、民間企業とも17。さらに今後3〜5年の間に導入予定の品種については公的機関24、民間企業20との回答だった。

これらの結果からも公的機関、民間企業ともにNON-GM大豆の開発が進められていることが分かる。また、新品種のほとんどは豆腐や納豆など食品大豆向けに開発されているもので、以前のバラエティ大豆よりも収量が増大しており、米国の幅広い地域に導入されているため、大豆の生産地であれば新品種を入手することができる。

続いて、自由な形式で回答を求めた質問では、公的機関のほとんどの回答者は「今後もNON-GM大豆の開発に力を入れていく」とし、また少数ではあるが「将来、新しい分子ツールによって高品質のNON-GM品種の導入が早まるだろう」と回答している。

民間企業にも回答を求めた。それによると小規模な企業はNON-GM大豆の品種開発に意欲を見せており、具体的には「収量や病気への耐性などの生産特性やたんぱく質含有量や味などの品質特性の両方に焦点を当てていく」としている。

一方、大規模な企業では小規模な企業とは逆にGM大豆に焦点を当てている。ただ、マーケット需要を見ながらだが、NON-GM分野への選択肢も残している。

大豆の品種改良については、ほとんどの公的機関のブリーダーは生殖細胞質の開発を行っている。これはNON-GM大豆生殖細胞質内の研究だが、すでに導入されている品種でも行われている。実際にこうした公的な活動には公的資金が注入されているが、将来的な品種開発につながるものには、より多くの資金が割り当てられている。

世界中の食品大豆の割合はわずか10%程度。品種のタイプは収量や病気の耐性、用途によって変わる。また最終用途である豆腐や納豆などの個別の特定品種開発目標や必要条件があり、これらの条件が育種を非常に難しくしている。

こうした難しい品種開発をしていくためにもブリーダーは生産者、輸入会社、最終ユーザーと接点を持たなければ、満足させるような大豆を生産することはできない。

ミネソタ大学准教授、セス・ネイブ氏(アメリカ大豆協会の「2010アメリカ食品大豆カンファレンス」より)



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