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ブランドを確立するには「こだわり」「差別化」「付加価値」「魅力」が必須条件。これらをうまく伝達できたときにブランドが完成する。
世界最速の車といわれるフェラーリの創業者は、一番速いエンジンを作り、レースで勝ち続けることにこだわった。この姿勢がカーマニアやレースマニアの高い支持を得た。ルイ・ヴィトンは創業当時、演奏家の顧客が多かったため、楽器を傷つけない丈夫さを鞄にひたすら求めた。イタリアのアメディのチョコレートは、チョコレートの「ロマネ・コンティ」といわれるほど高価だが、予約がいっぱいで買うことができなかった。会社の歴史は浅いが、伝説や物語で差別化を図り、すべてのものにこだわって付加価値を高め、わずか20年でトップブランドの地位を築いた。
ブランド構築を手伝ったスカイ・ファームは、高松のイチゴ農家が「おいしいイチゴを作って喜んでもらいたい」と立ち上げ、農協を通さず、消費者に直販。そうすることで安全・安心の信頼を得て、ブランド力を高めている。メジャーリーガーのイチローも、今では世界的なブランド。シーズン中は毎朝カレーを食べ、同じ時間にトレーニングに出かけ、同じ時間に帰宅する。そして試合には4時間前に球場入りして挑むなど、強いこだわりを持っている。
宮内庁御用達制度は昭和22年に廃止されたが、現在も宮内庁御用達として240品程度が存在し、伝統が守られている。お墨付きを得ることで付加価値が高まり、差別化や魅力の向上にもつながる。この制度が今も残っていれば、もっと多くのブランドができたと思う。英国には今も王室御用達があり、エリザベス女王とエジンバラ公、エリザベス皇太后、チャールズ皇太子の4人が認定、約900社がその栄誉を得ているが、毎年厳しい検査があり、40社程度のメーカーが入れ替わっているという。
ブランドが出来上がっても、消費者に届かなければ意味がない。これが最も難しく、他社とは一線を画すこだわりをストーリーとして発信することが必要。優れたブランドには伝説や物語がある。
サントリーはそれが上手で、「プレミアムモルツ」のCMでは「開発者の山本さんは世界最高峰のビールを作るためにドイツに留学した…」と、開発のために長い年月をかけた物語を訴えている。「モンドセレクション3年連続金賞受賞」も、ストーリー作りにうまく利用している。
ブランドの確立において、一番の大敵は大衆化。その代表例がトヨタ自動車の「レクサス」。トヨタは年間販売台数がポルシェ約13万台、フェラーリ約2千台に対して約900万台で、大衆車のイメージがある。発売当初はトヨタのマークを付け、いつでもどこでも買える車として販売したため、差別化や付加価値、魅力に欠けてしまった。そこで、トヨタはマークをレクサスの頭文字「L」に変えて大衆車のイメージを払拭、これが功を奏して成功した。
このようにいくらすばらしい商品であっても、消費者への伝え方を間違うとブランドは崩壊する。高級品をフリーペーパーやミニコミ誌で宣伝しても、価値が下がるだけである。
またネーミングも重要で、ラブホテルは「ブティックホテル」と呼ばれるようになって女性が入りやすくなったという。ゲームセンターも「アミューズメントスクエア」と名前を変えて入りやすいイメージを打ち出している。(続く)

ホテルグランヴィア京都で開かれた京都府豆腐油揚商工組合の新年懇親会。
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社史を読むだけでも永持孝之進名誉会長経営哲学が見える1冊。
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