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江戸時代、納豆売りなど売り物屋は「振り売り」と呼ばれていた。馴染み深いのは、テレビの時代劇でもよく登場する「しじみ〜、しじみ〜」と言う蜆(しじみ)売り。こうした外を売りまわる業者は、納豆売りをはじめ、たくさんいた。
振り売りは納豆をはじめ、蜆、豆腐、油揚げ、枝豆、心太(ところてん)、鮮魚、キノコ類など、あらゆる食品を扱っていた。幕末の風俗を描いた喜田川守貞の『守貞謾稿』によれば、食品だけでなく、いろいろな生活必需品が売られていたという。振り売りの商品だけで、日常の生活がまかなえるほど、とても便利だったと考えられている。
扱う商品によっては鑑礼が必要なものと、不必要なものがあった。鑑礼の不要なものは魚、タバコ、塩、みそ、酢じょう油など。そして鑑礼が必要なものを売る振り売り業者は50歳以上、または15歳未満の者、あるいは身体障害者に限られていた。つまり、社会的弱者を救済するためにとった措置だといえそうだ。
また、振り売りの中でも朝早くから仕事を開始していたのが納豆売り。今と違い、冷蔵保存ができないため、納豆は秋から冬の食べ物だった。町中に納豆売りが出てきたら、季節は秋に入り、冬が近づいてくることを示していた。寒い季節ということが関係していたかどうかは分からないが、納豆の食べ方は江戸の場合、納豆汁だった。糸引き納豆を包丁で細かく叩き、それをみそ汁に入れて食べていた。からしやネギなども使っていたのは、体が温まるからかもしれない。今、納豆を買うとからしが付いてくるが、それは納豆汁からの名残だともいわれている。
このように江戸時代、秋から冬の江戸の朝の食卓で重宝されていたのが納豆。当時から安くておいしく栄養があったから、よく食されていたのかもしれない。その納豆の健康効果は、近年になって次第に解明されてきた。納豆に豊富に含まれる栄養素のほか、最近では「ポリアミン」というアンチエイジングを実現する成分が豊富に含まれていることも分かっている。長引く平成不況だが、安くて栄養価が高く、アンチエイジング効果も期待できる納豆で乗り切りたいものだ。

ホテルグランヴィア京都で開かれた京都府豆腐油揚商工組合の新年懇親会。
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社史を読むだけでも永持孝之進名誉会長経営哲学が見える1冊。
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