納豆横丁

動脈硬化予防のカギを握るAIM遺伝子(1)

2010-3-4

酸化LDLは細胞にとって紛れもない毒物であり、当然、マクロファージにとってもそれは変わらない。しかし、マクロファージは自分の身を守るため、AIM遺伝子というたんぱく質を作り、自分の身を守り、長生きしようとする。

AIMとは「Apoptosis Inhibitor of Macrophage」の略で、東京大学大学院医学系研究科・疾患生命工学センター・分子病態医科学部門の宮崎徹教授らによって発見された。直訳すれば、「マクロファージのアポトーシス抑制因子」となる。アポトーシスとは、個体をより良い状態に保つために、あらかじめ決められたプログラムによってもたらされる死のこと。つまり、体のために良かれと判断した場合、自ら細胞が死んでいくシステムのことである。

マクロファージがアポトーシスを抑制するAIM遺伝子を作り出せば、マクロファージは死ぬことはなく、いつまでも生きながらえる。その結果、血管内は酸化LDLをいっぱいため込んだマクロファージが蓄積し、また炎症を起こして動脈硬化は進行していく。

では、AIM遺伝子を抑制できれば、動脈硬化は進行しないのではないか。そして、その効果は納豆にあるのではないか。そう推測した宮崎教授らは次のような実験を行った。まず、コレステロールが上がりやすく、動脈硬化を発症しやすいマウスを2つのグループに分け、一つには脂肪分を多く含んだエサにドライ納豆の粉末10%を練り込んだもの、もう一つには同じく脂肪分を多く含んだエサに生大豆の粉末10%を練り込んだものを与え、動脈硬化の進行具合を見たところ、生大豆のグループは動脈硬化が進行していたのに対し、ドライ納豆のグループは動脈硬化にあまりなっていなかった。

なぜ、納豆のグループに動脈硬化があまりみられなかったのか。宮崎教授は検証し、動脈硬化の要因を3つ挙げ、それを比較してみた。

  1. 血中コレステロールが高くなる
  2. マクロファージが酸化LDLを取り込む
  3. 血中のAIM遺伝子の濃度

その結果、1と2に関しては納豆と大豆のグループに差はなかったが、3のAIM遺伝子に関しては明らかに納豆のグループのほうが少なかった。このことから、納豆はAIM遺伝子を抑制し、動脈硬化が起こりにくくなったと推測できる。(続く)


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