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豆腐加工に適した大豆の新品種「はつさやか」を、(独)農研機構・近畿中国四国農業研究センターが育成した──現行の主力品種「フクユタカ」より早生で、青立ち(収穫適期でも茎葉が枯れずに残る障害)や子実の裂皮が少ない。四国地域で主に栽培されているフクユタカは、収穫期が遅いことから後作の小麦の播種が遅れるなどの支障がある。また、一部の県で奨励品種に採用された「サチユタカ」はフクユタカより早生だが、青立ちが発生しやすく、適期にコンバインでの収穫が困難になる場合があるほか、品質面でも子実の裂皮が多発するなどの問題を抱えているため、生産者から早生の品種が強く望まれていた。

京都府農林水産技術センター(山下道弘センター長)は、大豆の新品種「京白丹波」を開発。8月19日、京都市左京区の京都府立大学5号館で、京白丹波を使った豆腐などの試食会を開いた。
(財)日本特産農産物協会が国産大豆の品質等に関する情報の収集・整理事業として行った「平成22年度豆類振興事業報告書」が公表されている。
国産大豆の主産地、北海道の平成22年国産大豆の生育状況が10月6日公表された。
それによると、8月の平均気温は戦後で最も高い22.9度で平年より2.8度高く、降水量も多めで、日照時間は平年並みだった。大豆の草丈は74.1cmとやや長く、葉数は9.8枚、1平方m当たりの着莢数は584.5個と平年並みだった。
機能性については、昨今の消費者の健康志向の高まりを受け、機能性を向上させた品種の育成にも取り組んでいる。
国内の大豆生産量は年間20万トン程度で推移している。これは国内需要のわずか5%にすぎず、食料自給率向上の観点から、増産が必要とされている。輸入大豆の多くは搾油用として使われているが、国産大豆はほとんどが食品に加工され、豆腐への使用量が最も多く、約半分を占める。そのため、豆腐・油揚げの加工適正に優れた大豆品種を求める声が多い。
平成19年2月、北海道立中央農業試験場の育種によって誕生した大豆の新品種「タマフクラ」は、農林水産省指定試験育成品種で、高級黒大豆「新丹波黒」と白目極大粒大豆「ツルムスメ」を交配した晩生の白目黄大豆。100粒重は平均60グラム以上。栽培対象地域の北海道南部でこれまで作られてきた極大粒品種「ユウヅル」に比べ1.5倍の大きさを誇る。裂皮もユウヅルより少なく、豆腐、納豆、煮豆、枝豆の加工に適しているという。
農林水産省大臣官房統計部は、先ごろ平成20年度産大豆の収穫量(第2報)を発表した。
国産大豆の入札取引においては、売り手からの情報に基づいて作成された入札ロット明細書に示された銘柄(2008年1月「産地品種銘柄について」参照)や等級などの文字情報を手掛かりにして、買い手が入札するシステムが用いられている。
かつての「丹波国」である京都と兵庫の丹波地域で作り続けられてきた黒大豆は、古くから「丹波黒大豆」と呼ばれ、現在「丹波黒」と「新丹波黒」が品種登録されている。極大粒で食べると甘く、独特のもちもち感がある。
固形分濃度の高い豆乳や、大豆の全粒微粉末を用いた豆乳類は、消費者に受け入れられて久しいが、大豆に対してアレルギー性疾患を発症する例も少なくない。そのため、アレルゲンたんぱく質を欠失した大豆品種の供給を求める実需者の声に、(独)農業・食品産業技術総合研究機構の作物研究所・大豆育種研究チームが応えて、新品種「なごみまる」を開発した。
国産の納豆用小粒(極小粒)大豆とこんにゃく精粉の価格が高騰している。いずれも中国産への不信感から国産原料の需要が高まっているためと見られ、価格転嫁が容易でない加工メーカーはさらなるコスト負担に悲鳴を上げている。
(財)日本特産農産物協会は2007年産大豆の4月の入札取引結果をこのほど発表したが、平均落札価格はやや強含みで推移しているものの7,558円。しかし北海道産「スズマル」の1俵(60キログラム)当たりの落札平均価格は2万2,279円と、前月から26.74%(4,701円)アップ。初上場した昨年12月と比べると146.67%(1万3,247円)も上昇している。
北海道産「スズマル」は特に2007年産の作付面積が減少し、品薄感が広がったことが拍車をかけた。全国農業協同組合連合会(JA全農)の入札販売予定数量2万4,667俵に対し、既に70%を超える1万7,490俵の販売を終え、残りも高値落札が予想される。
茨城県産「納豆小粒」も、小粒、極小粒とも初上場の3月に1万5,620円、1万7,220円の高値を付け、翌4月にはそれぞれ26.18%アップの1万9,709円、16.64%アップの2万86円。
一方、こんにゃく精粉の相場は、年初から約6割上がって現在8万円台。17年ぶりの高値圏にある。1袋(20キログラム)当たり3万5,000円前後で推移していたが、昨年1月に4万円台になり、12月に5万円を突破。今年3月には2万5,000円以上急騰し、4月に8万円を超えた。
(独)農業・食品産業技術総合研究機構の九州沖縄農業研究センターでは、豆腐加工適性に優れ、機械化栽培に適した温暖地向けの大豆品種「ことゆたか」(だいず農林132号、旧系統名=九州136号)を育成した。現在、滋賀県の農作物指定品種に採用されており、栽培面積など普及状況を勘案した後、同県の奨励品種に採用される予定だという。
農林水産省は2月19日、平成19年産大豆について収穫量は前年並みの22万9,400トンだったと発表した。作付面積が前年産に比べて減少したものの、10アール当たり収量が前年産を上回ったため。
作付面積は13万8,300ヘクタールで、前年産に比べて3,800ヘクタール(3%)減少した。一方、10アール当たり収量は166キログラムで前年産を5キログラム(3%)上回った。北海道では6月中旬から7月中旬にかけての少雨と、7月上旬から下旬にかけての低温の影響でさやの粒数が減少し、前年産を下回ったが、九州では天候に恵まれ、台風などで作柄が悪かった前年産を大きく上回った。
なお、過去7年間のうち最高と最低の年を除いた5か年の平均と比較した10アール当たり平均収量対比は98%だった。
収穫量の都道府県別割合を見ると、北海道が最も多く23%。次いで佐賀が8%、宮城が7%、福岡と秋田が6%。これら上位5道県で半分強を占めた。

| 区分 | 作付面積 | 10a当たり 収量 |
収穫量 |
|---|---|---|---|
| 全国 | 138,300ha | 166kg | 229,400t |
| 区分 | 前年産との比較 | 10a当たり 平均収量 対比 |
||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 作付面積 | 10a当たり 収量 |
収穫量 | ||||
| 対差 | 対比 | 対比 | 対差 | 対比 | ||
| 全国 | △3,800t | 97% | 103%% | 200t | 100% | 98% |
農林水産省総合食料局食品産業振興課が公表している2006年の油糧生産実績によると、国産は原料処理量が32万5,807トン、原油生産量が6万4,211トン、油かす生産量が25万1,863トン。そのうち大豆油の原料処理量は463トン(前年比277.2%)、生産量は73トン(前年比331.8%)、大豆かす生産量は243トン(前年比227.1%)で、いずれも前年の約2〜3倍と大幅に伸びている。
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“農林業の国勢調査”とも呼ばれる農林水産省の「農林業センサス」の大豆部門に関する集計結果(第4巻「農林業経営体調査報告書—農業経営部門別編—」第1集「水稲、畑作、麦類、大豆、さとうきび」)から、販売を目的に大豆を作付けした農家数と作付面積を知ることができる。大豆部門の対象は、調査期日(2005年2月1日)前1年間に販売目的で大豆を作付けした「販売農家」。販売農家とは経営耕地面積30アール以上、または農産物販売金額50万円以上の農業を営む世帯をいう。ただし沖縄を除く。

群馬の納豆製造卸、下仁田納豆(甘楽郡下仁田町)は、今年度から自社工場近くの農家に一部原料大豆の生産を依頼し、直接契約を結んだ。梅雨の最中で数日延期になったものの、7月6日午前7時から同社社長の南都隆道さんも手伝って播種を行い、無事に終えた。同社が原料大豆を地元で契約栽培するのは初めて。動機について南都さんは「地産地消への取り組みはもちろんだが、国産にしても輸入にしても今の大豆の生産環境を考えると、自分の目の届く地元の畑で栽培された大豆を使いたい気持ちが強い」と話している。
農家との契約内容は、1反半(約15アール)の畑に群馬県の大豆奨励品種である「オオツル」と「タチナガハ」をそれぞれ半面ずつ作付けし、収穫された全量を同社が1俵当たり3万円で買い取ることとした。生育管理は基本的に農家に任せるが、「できる限りかかわっていきたい」と南都さん。農薬の使用を抑えるために、除草作業は同社の従業員で手伝っていく方針。さらに生育状況は自社のホームページで報告していく。計画では子供たちに大豆の播種を体験してもらおうと、4日に地元の馬山保育園の園児らを招いて一緒に行う予定だったが、雨天で延期となり、やむなく農家と地元JAの職員らで行った。
農林水産省のウェブサイト「食料自給率の部屋」には、食料自給率に関する資料のひとつとして、大豆の生産量・消費量・輸出入量などの年次データが掲載されている。昭和35(1960)年から平成17(2005)年まで、5年ごとの主要項目の推移を下表にまとめた。なお、国内消費仕向量の「加工用」の分類には、「製油用」が大半を占めるが、「みそ・しょう油用」も含まれる。ちなみに平成17(2005年)の大豆用途別使用量を見ると、みそは13万6,000トン、しょう油は3万7,000トンで、合計しても「加工用」の約5%に過ぎない。
食料・農業・農村基本計画において、国産大豆の生産努力目標を平成22年度に25万トンと設定している。18年産大豆は九州などで天候不順や台風の影響で収量が低下したが、作付け面積が前年より8,000ヘクタール増えたことから前年より5,900トン(3%)多い23万900トンだった。
19年度産から「品目横断的経営安定対策」が始まり、これまですべての農家が対象だった助成や補てんといった支援が、一定条件を満たす担い手のみに限定される。担い手になると、生産物の販売収入に加えて、(1)加工の生産実績に基づく支払い(2)毎年の生産量・品質に基づく支払い——が行なわれる。さらに、その年の収入が過去の平均収入を下回った場合、減収額の9割が補てんされる(生産者からの一定の拠出が必要)。
これらの支援をなくして農家が大豆を生産するのは不可能に近い。生産コストに見合う価格で実需者が大豆を買ってくれれば別だが、豆腐や納豆の市場価格からして無理だろう。それは大豆の生産コストをみれば分かる。農林水産省大臣官房統計部は農林水産統計の一環として、毎年、農業経営統計調査を公表している。そのうち、17年産「大豆生産費」を別表にまとめてみた。
| - | 物財費 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| - | 計 | 種苗費 | 肥料費 | ||
| 種苗費 | 購入 | 肥料費 | 購入 | ||
| 10a当たり | 33,246 | 2,526 | 2,162 | 3,667 | 3,638 |
| 60kg当たり | 11,209 | 852 | 729 | 1,236 | 1,226 |
| - | 物財費 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| - | 農業 薬剤費 |
光熱 動力費 |
その他の 諸材料費 |
土地改良 および 水利費 |
賃借料 および 料金 |
| 10a当たり | 3,487 | 1,507 | 103 | 1,981 | 10,700 |
| 60kg当たり | 1,176 | 509 | 35 | 668 | 3,608 |
| - | 物財費 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| - | 物件税 および 公課諸負担 |
建物費 | 自動車費 | ||
| 建物費 | 償却費 | 自動車費 | 償却費 | ||
| 10a当たり | 1,015 | 975 | 770 | 1,223 | 448 |
| 60kg当たり | 342 | 328 | 259 | 412 | 151 |
| - | 物財費 | |||
|---|---|---|---|---|
| - | 農機具費 | 生産管理費 | ||
| 農機具費 | 償却費 | 生産管理費 | 償却費 | |
| 10a当たり | 5,900 | 4,216 | 162 | 13 |
| 60kg当たり | 1,989 | 1,422 | 54 | 4 |
| - | 労働費 | |||
|---|---|---|---|---|
| - | 計 | 直接労働費 | 間接労働費 | |
| - | 計 | 家族 | ||
| 10a当たり | 17,110 | 16,293 | 16,730 | 380 |
| 60kg当たり | 5,767 | 5,492 | 5,639 | 128 |
| - | 費用合計 | |||
|---|---|---|---|---|
| - | 計 | 購入 (支払い) |
自給 | 償却 |
| 10a当たり | 50,356 | 28,222 | 16,687 | 5,447 |
| 60kg当たり | 16,976 | 9,515 | 5,625 | 1,836 |
| - | 副産物 価額 |
生産費 (副産物 価額差し引き) |
支払 利子 |
支払 地代 |
支払利子 地代算入生産費 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10a当たり | 148 | 50,208 | 278 | 5,936 | 56,422 |
| 60kg当たり | 50 | 16,926 | 94 | 2,001 | 19,021 |
| - | 自己 資本利子 |
自作地 地代 |
資本利子・地代 全額算入生産費 (全算入生産費) |
|---|---|---|---|
| 10a当たり | 2,040 | 6,451 | 64,913 |
| 60kg当たり | 688 | 2,175 | 21,884 |
表を見ると、物財費として10アール当たり3万3,246円、1俵(60キログラム)当たり1万1,209円。物財費は種苗、肥料、農薬、光熱、建物、自動車、農機具、生産管理などに要する費用で、1俵当たりで見ると、賃貸料および料金(3,608円)などを除くと、肥料費1,236円、農業薬剤費1,176円が目立つ。これらは1俵当たりの大豆の種苗費852円を上回っている。一方、労働費は直接・間接を合わせて5,767円で、物財費と労働費の合計は1万6,976円。さらに、副産物価額を差し引き、支払い利子、支払い地代、自己資本利子、自作地地代を加えた全算入生産費は1俵当たり2万1,884円。17年産大豆の全国平均落札価格は6,931円(普通大豆7,078円、特定加工用大豆6,422円)であり、大豆の生産には販売収入の3倍ものコストが掛かっているのである。
参考に、過去10年の大豆生産コストの累年表も掲げておく。
| 全国 | 10a当たり 全算入生産費(円) |
60kg当たり 全算入生産費 (円) |
10a当たり 粗収益 (円) |
|---|---|---|---|
| 1996年産 | 74,693 | 18,279 | 62,361 |
| 1997年産 | 73,516 | 19,301 | 57,801 |
| 1998年産 | 72,550 | 22,847 | 44,012 |
| 1999年産 | 70,675 | 20,247 | 50,251 |
| 2000年産 | 71,195 | 18,606 | 51,425 |
| 2001年産 | 70,204 | 18,975 | 44,056 |
| 2002年産 | 69,119 | 19,647 | 40,913 |
| 2003年産 | 66,803 | 23,309 | 48,572 |
| 2004年産 | 65,231 | 28,166 | 45,518 |
| 2005年産 | 64,913 | 21,884 | 42,103 |
| 全国 | 10a当たり 収量 (kg) |
10a当たり 投下労働時間 (時間) |
1戸当たり 作付面積 (a) |
|---|---|---|---|
| 1996年産 | 246 | 22 | 68 |
| 1997年産 | 230 | 19 | 72 |
| 1998年産 | 190 | 18 | 89 |
| 1999年産 | 206 | 16 | 94 |
| 2000年産 | 230 | 15 | 94 |
| 2001年産 | 223 | 15 | 101 |
| 2002年産 | 211 | 14 | 103 |
| 2003年産 | 172 | 14 | 106 |
| 2004年産 | 139 | 13 | 107 |
| 2005年産 | 177 | 12 | 120 |
「大豆100粒運動」の提唱者、辰巳芳子氏の母堂、辰巳浜子さん(1904〜1977年)も「安くて、気がきいて、おいしくて、からだにさわらないもの」「三拍子ならぬ四拍子もそろったもの」ということで、枝豆を推奨している。「小付の塩茹では両端を鋏で切って水をさっとかけ、塩をたくさんまぶしてごしごしもみます。意外に土のよごれがついていてねずみ色の汁が出ます。よく水洗いをしてから茹でにかかってください。青く茹でる–この青い色目にとらわれず、豆の甘味が大切と知って色は少々悪くても、豆のうま味を味わうようにしましょう」と記し、簡単なものほど下準備は先に済ませて、仕上げを後回しにするようにとの心構えをアドバイスしている。
旧暦9月の十三夜の月は枝豆を供える「豆名月」と呼ばれ、秋の季語にもなっている。枝豆とはご存じのとおり、大豆が未熟なうちに茎ごと刈り取って、さやのままゆでて食用とする。山形県鶴岡市特産“枝豆の横綱”「だだちゃ豆」と新潟市特産「黒埼茶豆」で人気を二分しているようだが、これらの枝豆ブランド品の出荷は、7月下旬から8月にかけて集中している。短期間の出荷集中を避けるように、6月上旬から10月下旬にかけて安定出荷を計画している群馬県産の高級品種「天狗印の枝豆」もあるにはあるが、現代人にはやはり、高校野球などを観戦しながらビールに枝豆という食のスタイルが根強く浸透しているのではないだろうか。
農林水産省が発表している野菜生産出荷統計から、枝豆の作付面積・集荷量・出荷量(2004年)の都道府県順位を表に示した。黒埼茶豆で名前の挙がった新潟は作付面積こそ1位だが、収穫量3位、出荷量5位とまさに「量より質」を地でいく。だだちゃ豆の山形も作付面積は新潟と50ヘクタール違いの2位だが、収穫量2位、出荷量4位。収穫効率よりブランド力を優先させている形か。東京・築地市場で取引される枝豆は通常1キログラムで500〜600円だが、だだちゃ豆はその倍の1,000円前後の値が付くといわれる。一方、2004年の生産量1位は東京の市場も間近い千葉で、1万200トンは全国の収穫量(7万3,300トン)の14%に当たる。10アール当たり収量で比較すると、千葉(901キログラム)は山形(407キログラム)、新潟(388キログラム)の2倍を超える。
| 順位 | 作付面積(ha) | 収穫量(t) | 出荷量(t) | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 新潟 | 1,540 | 千葉 | 10,200 | 千葉 | 8,530 |
| 2位 | 山形 | 1,500 | 山形 | 6,110 | 群馬 | 4,750 |
| 3位 | 群馬 | 1,240 | 新潟 | 5,970 | 埼玉 | 4,370 |
| 4位 | 千葉 | 1,140 | 埼玉 | 5,810 | 山形 | 3,920 |
| 5位 | 秋田 | 886 | 群馬 | 5,600 | 新潟 | 3,180 |
農林水産省生産局農産振興課の調査で、2004年産大豆の品種別作付面積が明らかになった。前回、全国トータルでの調査結果を見たが、今回は地方別での調査結果を見てみよう。
地方別の品種別作付面積は、1位が北海道は「トヨムスメ」、東北は「リュウホウ」、関東は「タチナガハ」、北陸は「エンレイ」、東海は「フクユタカ」、近畿は「オオツル」、中・四国は「サチユタカ」、九州は「フクユタカ」となった。東海と九州の「フクユタカ」以外、すべて1位の品種が異なり、地域の特徴が表れている。
この調査では、静岡が関東に含まれ、中国と四国が統合されている。静岡(フクユタカ:495ヘクタール)を東海に含めても、関東の1位「タチナガハ」、東海の1位「フクユタカ」に変わりはない。中国と四国に分けると、中国の1位は「サチユタカ」(2,297ヘクタール)、また四国の1位は「フクユタカ」(1,153ヘクタール)。四国を含めて3地方で、豆腐用に最適といわれる「フクユタカ」が1位となった。
「フクユタカ」は広域適応性のある良質多収品種、草姿も良く倒伏にも強いため、密植栽培にも適応できるが、早播きの場合の耐倒伏性は“中”程度。褐斑粒の発生は極めて少ないが、ネコブセンチュウ、葉焼け病、さび病には強くない。豆腐・油揚げ用としては高評価だが、へその色が淡褐色であり、蒸煮した時やや堅く出来上がるため、煮豆にはあまり向かない。
| 地方名 | 北海道 | 東北 | 関東 | 北陸 |
|---|---|---|---|---|
| 作付面積 | 17,000 | 36,900 | 17,400 | 16,700 |
| 1位 | トヨムスメ 2,871 (16.9) |
リュウホウ 9,338 (25.3) |
タチナガハ 9,753 (56.1) |
エンレイ 15,680 (93.9) |
| 2位 | ユキホマレ 2,451 (14.4) |
スズユタカ 5,566 (15.1) |
納豆小粒 2,394 (13.8) |
あやこがね 451 ( 2.7) |
| 3位 | トヨコマチ 2,096 (12.3) |
おおすず 4,065 (11.0) |
ナカセンナリ 1,922 (11.0) |
オオツル 255 ( 1.5) |
| 4位 | いわいくろ 1,877 (11.0) |
ミヤギシロメ 3,983 (10.8) |
フクユタカ 854 ( 4.9) |
コスズ 85 ( 0.5) |
| 5位 | スズマル 1,800 (10.6) |
タンレイ 3,539 ( 9.6) |
ギンレイ372 ( 2.1) |
青大豆 63 ( 0.4) |
| 6位 | ツルムスメ 906 ( 5.3) |
タチユタカ 2,002 ( 5.4) |
ハタユタカ 238 ( 1.4) |
フクユタカ 28 ( 0.2) |
| 7位 | トヨホマレ 796 ( 4.7) |
タチナガハ 1,622 ( 4.4) |
エンレイ 233 ( 1.3) |
サチユタカ 24 ( 0.1) |
| 8位 | 晩生光黒 690 ( 4.1) |
ナンブシロメ 1,462 ( 4.0) |
タマホマレ 192 ( 1.1) |
タチナガハ 24 ( 0.1) |
| 9位 | 音更大袖 669 ( 3.9) |
スズカリ 862 ( 2.3) |
ヒュウガ 180 ( 1.0) |
岩手みどり 18 ( 0.1) |
| 10位 | キタムスメ 591 ( 3.5) |
あやこがね 566 ( 1.5) |
玉大黒 111 ( 0.6) |
あきたみどり 11 ( 0.1) |
| 地方名 | 東海 | 近畿 | 中四国 | 九州 |
| 作付面積 | 8,970 | 7,290 | 8,440 | 24,000 |
| 1位 | フクユタカ 8,481 (94.5) |
オオツル 1,901 (26.1) |
サチユタカ 2,325 (27.5) |
フクユタカ 19,940 (83.1) |
| 2位 | つやほまれ 167 ( 1.9) |
タマホマレ 1,151 (15.8) |
丹波黒 1,771 (21.0) |
むらゆたか 2,832 (11.8) |
| 3位 | エルスター 65 ( 0.7) |
フクユタカ 1,060 (14.5) |
タマホマレ 1,430 (16.9) |
エルスター 444 ( 1.8) |
| 4位 | タマホマレ 40 ( 0.5) |
丹波黒 975 (13.4) |
フクユタカ 1,322 (15.7) |
トヨシロメ 288 ( 1.2) |
| 5位 | 丹波黒 39 ( 0.4) |
黒大豆 627 ( 8.6) |
アキシロメ 584 ( 6.9) |
サチユタカ 159 ( 0.7) |
| 6位 | エンレイ 38 ( 0.4) |
サチユタカ 393 ( 5.4) |
トヨシロメ 230 ( 2.7) |
すずおとめ 119 ( 0.5) |
| 7位 | すずおとめ 34 ( 0.4) |
新丹波黒 375 ( 5.1) |
黒大豆 131 ( 1.6) |
キヨミドリ 69 ( 0.3) |
| 8位 | アキシロメ 23 ( 0.3) |
エンレイ 241 ( 3.3) |
すずこがね 130 ( 1.5) |
黒大豆 2 ( 0.0) |
| 9位 | オオツル 17 ( 0.2) |
ニシムスメ 120 ( 1.6) |
ニシムスメ 35 ( 0.4) |
丹波黒 1 ( 0.0) |
| 10位 | タチナガハ 11 ( 0.1) |
もち大豆 80 ( 1.1) |
エンレイ 14 ( 0.2) |
その他 188 ( 0.8) |
資料:農林水産省生産局農産振興課調べ
農林水産省生産局農産振興課の調査で、2004年産大豆の品種別作付面積が明らかになっている。調査結果によると、全国トータルでは、フクユタカ、エンレイ、タチナガハ、リュウホウ、スズユタカが1〜5位を占めた。この結果は01年から全く変わっていない。1位のフクユタカは、主産地の福岡、佐賀で04年産が大幅に減収、作付面積自体が減っているにもかかわらず、シェア(全作付面積比)は1.1ポイント増やしている。これは相次ぐ台風や長雨の影響によって、フクユタカに限らず、いずれの品種も全般に減収したため。2位のエンレイはスズユタカ以上に作付面積を大きく減らし、シェアも1.4ポイント減。しかし、シェア2割超のフクユタカに次いで、シェア1割を超えるのは、まだエンレイのみである。3位のタチナガハ、4位のリュウホウ、5位のスズユタカも、徐々に伸ばしてきた作付面積を04年産では落とさなければならなかった。それぞれのシェアは0.1ポイント増、0.1ポイント減、0.5ポイント減–と、目立った変化はない。
6位のおおすず、7位のミヤギシロメという順位も、03年産と同じ。シェアはそれぞれ3.0ポイント、2.9ポイントと、3%前後で安定している。過去5年間で03年に初登場したタンレイは8位。04年に初登場10位となったサチユタカは主に近畿、中国、九州北部で栽培されている。代わりにトヨコマチがランク外に滑り落ちた。9位はトヨムスメで、7位以下はどれもシェア2%台。ベスト10に入った品種は、いずれも豆腐加工に適した大豆。ほかの食品用途としては、エンレイがみそ、タチナガハ、リュウホウ、おおすず、トヨムスメが煮豆、ミヤギシロメが煮豆、菓子にも適する。
| 2000年 | 2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 作付面積 | 122,500 | 143,900 | 149,900 | 151,900 | 136,800 |
| 1位 | フクユタカ 22,873 (18.7) |
フクユタカ 29,395 (20.4) |
フクユタカ 35,268 (23.5) |
フクユタカ 33,520 (22.1) |
フクユタカ 31,685 (23.2) |
| 2位 | エンレイ 15,836 (12.9) |
エンレイ 18,914 (13.1) |
エンレイ 19,386 (12.9) |
エンレイ 20,545 (13.5) |
エンレイ 16,548 (12.1) |
| 3位 | タチナガハ 9,218 (7.5) |
タチナガハ 10,144 (7.0) |
タチナガハ 11,873 (7.9) |
タチナガハ 12,396 (8.2) |
タチナガハ 11,422 (8.3) |
| 4位 | タマホマレ 6,390 (5.2) |
リュウホウ 7,050 (4.9) |
リュウホウ 8,632 (5.8) |
リュウホウ 10,487 (6.9) |
リュウホウ 9,338 (6.8) |
| 5位 | スズユタカ 6,376 (5.2) |
スズユタカ 6,275 (4.4) |
スズユタカ 6,907 (4.6) |
スズユタカ 7,022 (4.6) |
スズユタカ 5,567 (4.1) |
| 6位 | むらゆたか 5,460 (4.5) |
タマホマレ 6,266 (4.4) |
タマホマレ 5,007 (3.3) |
おおすず 4,699 (3.1) |
おおすず 4,065 (3.0) |
| 7位 | リュウホウ 4,834 (3.9) |
トヨムスメ 6,100 (4.2) |
トヨコマチ 4,722 (3.2) |
ミヤギシロメ 4,266 (2.8) |
ミヤギシロメ 3,983 (2.9) |
| 8位 | トヨムスメ 4,171 (3.4) |
むらゆたか 5,910 (4.1) |
おおすず 4,374 (2.9) |
トヨムスメ 3,956 (2.6) |
タンレイ 3,539 (2.6) |
| 9位 | ミヤギシロメ 3,960 (3.2) |
おおすず 4,455 (3.1) |
トヨムスメ 4,190 (2.8) |
タンレイ 3,896 (2.6) |
トヨムスメ 2,971 (2.2) |
| 10位 | 丹波黒 3,843 (3.1) |
ミヤギシロメ 4,253 (3.0) |
ミヤギシロメ 4,253 (3.0) |
トヨコマチ 3,825 (2.5) |
サチユタカ 2,902 (2.1) |
北大路魯山人が昭和8年(1933年)に著した『美味い豆腐の話』で、おいしい湯豆腐の食べ方を指南している。何と言っても、豆腐のいいのを選ぶことがいちばん大切だ、と至極真っ当なことを語り、そのおいしい豆腐をどこで買い求めたらよいか?というと、ずばり、京都だと即答。「京都は古来水明で名高いところだけに、良水が豊富なため、いい豆腐ができる。また、京都人は精進料理など、金のかからぬ美食を求めることにおいて第一流である。そういうせいで、京都の豆腐は美味い」とべた褒めである。
しかし、「それなら、京都の豆腐は今なおどこでも美味いかというと、どっこい、そうはいかない。今日では水明の都でも、水道の水と変り、豆をすることは電動化して、製品はすべて機械的になってしまったのみならず、経済的に粗悪な豆(満州大豆)を使うようになったりなどして、京都だからとて、美味い豆腐は食べられなくなってしまった」と留保をつける。
1933年当時、日本国内における大豆の収獲量36万2,174トン(作付面積32万6,370町)に対して、全輸入量は62万1,648トン、そのうち中国が43万4,634トン(69.9%)、朝鮮が18万6,924トン(30.01%)となっている。全輸入大豆の7割を占める中国産大豆への依存度は、さしずめ、現在の米国産大豆に匹敵するだろう。ブラジル、カナダといった別な生産国の選択肢も見えなかっただけに、より状況は深刻ともいえる。
国産大豆よりも安い価格で満州から輸入された大豆は、まず都市において豆腐、納豆、みそ、しょう油などの製造業者の原料大豆市場に進出した。とくにみそ、しょう油の醸造工場が発達して、都市だけでなく、農村へもその製品が普及するにつれて、従来農村で自給していたみそ、しょう油は徐々に都市の醸造工場の製品に置き換えられていった。これにともなって農家での原料大豆の生産は中止されることになった。すなわち農業における商品生産が発展し、農家が購買力を持つようになったため自給生産の体制がくずれたわけである。
日本が満州(中国東北部)において積極的に大豆の栽培を行い、そのときの調査研究の結果が今日の大豆の栽培に大きく影響している。当時の詳細な資料によると、大豆は支那、日本、朝鮮などの東洋諸国が太古からの重要農作物の一つとして栽培し、交通の発達により世界各地に伝播したものである。欧米諸国に伝播したのは比較的近年のことで、1739年にフランス、1790年に英国、1803年に米国、1876年にハンガリー、1903年にアフリカ諸国などに初めて紹介され、ブラジル、アルゼンチンなどはごく最近のことである。
当時わが国で栽培されていた品種は非常に多く、300〜400種に及んでいた。そのうち重要品種として24種があげられている。また朝鮮においては栽培していた品種はさらに多く、約900種で、米、麦に次ぐ重要農作物であった。満州における大豆の品種は200種程度であり、その代表的なものについて満鉄農事試験場で大規模な大豆品種改良事業が行われ、今日の世界の大豆栽培の基礎ができたものと推察される。
これに対して、米国は1910年頃から支那、満州、日本およびインドから多くの品種を導入し、デラベア大学(東部)やイリノイ大学(中部)、アラバマ州農事試験場(内部)を中心に、適正品種の選択が開始された。
大豆は栽培の歴史が古いので、品種数はかなり多い。それらを分類する方法として、形態的特性によるものと、用途など人為的便宜によるものとがある。種実の形態では、種皮や臍の色、種実や莢の形などによって分類される。作物体の色では毛状の有無などが分類の基準となる。茎や枝の形では、蔓大豆と通常のものに分けられ、茎や枝の蔓化は枝の伸長が有限か無限かに関係している。米国産大豆の多くは無限型(枝分かれを重ねて巨大な草丈となる品種)で、日本産大豆の多くは、枝分かれが少なく、草丈もあまり大きくならない有限型の品種である。分類基準として早晩生、夏秋大豆型、粒の大きさ、油脂、たんぱく質、炭水化物の成分含量、病虫害抵抗性、裂莢性、倒伏性など、大豆の播種・収穫から加工利用に至るまで、すべての実用上の関係事項が考慮される。
大豆は畑作物として小麦、大麦、甘藷などとともに重要な位置を占めていたが、満州、朝鮮からの輸移入大豆の増大と他の畑作物との競合から次第にその地位を失っていった。明治から大正へと時代が移り変わるにつれて日本農業は米作を中心とし、畑作物においても茶、桑、果樹、蔬菜、甘藷などの商品生産化が進んだ。この過程において商品性に乏しい畑作物、たとえば粟、稗、大豆などの雑穀類は著しい生産の減退を示した。大豆の場合、栽培技術の改良、高収量品種の開発など生産性を高めるための努力が十分でなかったため、単位面積当りの収量は増加せず、夏作として有力な競合作物である果樹、蔬菜、甘藷などに次第にその作付面積を奪われていった。
さらに満州からより安い大豆が輸入されるにおよんで国産大豆は非常に苦しい立場に追い込まれた。大豆はかくして内外の事情により減産を余儀なくされたが、特に満州からの輸入大豆の影響が決定的であった。
日本の大豆需要は年々増加の一途をたどり、戦前、戦後を通じて大豆の輸入は増勢を続けた。戦前は主として、満州からの輸入および朝鮮からの移入によってまかなわれた。当時の国内の大豆総消費量は110万トン前後で、国産大豆が約35万トン、75万トンが輸移入によって供給されていた。丸大豆のほかに大豆粕も肥料および飼料用に相当量輸入されており、これらを合わせると年間で200万トン近い総量になる。従って、総需要に占める国産大豆の比重は著しく低く、せいぜい17%程度だった。
戦後はもちろん満州、朝鮮からの輸移入はなくなり、一時、国産のみに頼らざるを得ない期間があったが、昭和23年に満州からの輸入に代わって米国からの大豆輸入が初めて行われ、その後は米国産大豆の輸入が年を追って増大した。
戦後は大豆製油工業の発展により、大豆粕や大豆油などの製品輸入はほとんど行われないで、原料大豆としての輸入に変わった。米国産大豆は主に搾油用の原料として輸入されたが、一方で中国からの大豆輸入も軌道に乗り、昭和42年頃には年間40万トンにまで達した。中国産大豆はみそ、納豆、豆腐など伝統的な大豆食品用に国産大豆とともに用いられた。しかし、昭和40年代後半から中国産大豆の輸入は減少を続け、昭和51年に輸入量は年間20万トン台になった。
国産大豆の生産減少、中国産大豆の輸入減少により、年間70トン程度必要とされた食品用大豆は、その供給を米国に求めるようになった。米国産大豆を機械で精選して大豆以外の夾雑物を取り除き、さらに大豆の粒の大きさを選別によりそろえることで、国産大豆や中国産大豆に代わって食品用に使用するようになった。食品用にはたんぱく質含量の多い大豆が良いわけで、そのため特に米国のオハイオ、インディアナ、イリノイ、ミシガンなどの北部諸州の大豆が日本の伝統的な大豆食品用に輸入されるようになった。
昨年は国産大豆が2年連続の不作で品薄と価格高に揺れたが、平成17年産はほぼ予想どおり16万4,000トンの見込み。11月の入札取引による落札価格も1俵(60キログラム)当たり平均8,337円と、16年産同期の1万3,150円に比べ約4割安で、安定を取り戻したかに思える。しかし作付面積は減少傾向にあり、さらに18年度で大豆交付金制度が廃止、19年度産から担い手を対象とした「品目横断的安定対策」が導入されることから生産減が懸念され、今後の国産大豆の確保には不安が残る。米国産大豆は昨年に続く豊作で、2005年産の生産量は8,282万トンが見込まれている。
国産大豆の平成17年産は作付面積が13万3,900ヘクタールで、前年に比べて2,900ヘクタール(2%)減少した。集荷量は前年比168%増の16万4,000トンの見込み。16年産は相次ぐ台風上陸や収穫期の長雨で不作となり、最終的に販売数量は9万7,600トンにとどまったが、17年産は天候にも恵まれ、順調に生育した。すでに昨年11月24日に第1回目の入札が実施され、普通大豆は平均60キログラム当たり8,337円で、9,240トンが落札された。入札前の予想では「1万円超はつく」との見方が強かったため、16年産の価格高騰に、特に悩まされた最大需要者である豆腐メーカーの国産大豆離れが懸念される。
日本人の食生活にとって極めて重要な役割を占める大豆の供給が戦前、戦後どのように変化したか、またその変化をもたらした要因は何か。
明治10年代には42〜43万ヘクタールの作付面積で生産高は29万トン、1ヘクタール当たり収量は670キログラム程度だった。明治30年代は作付面積はやや増加して47万ヘクタール、生産高は単収の増大によって46万トン前後へ大幅に増加している。単収は1ヘクタール当たり約1トンである。以後、大正の終わり頃まで作付面積も収穫高も大体横ばいに推移したが、昭和に入って作付面積が漸次減少の傾向を示した。昭和15年すなわち日本が太平洋戦争に突入する前年には作付面積は33万ヘクタールにまで減少し、生産高は32万トン前後に落ちてしまった。昭和16〜19年の間は作付面積は大体30万ヘクタール、生産高は30万トン程度と横ばいで推移した。昭和20、21年は敗戦の混乱で、作付面積も生産高もさらに減少した。
戦後の大豆生産高をみると作付面積、生産高とも昭和25年頃には戦前の最盛期レベルに達し、昭和27年には作付面積は41万ヘクタール、生産高は戦前、戦後を通じての最高である52万トンに達し、昭和30年頃までは作付面積は40万ヘクタール前後の高水準を維持し、生産高も高水準で推移した。しかし、その後は作付面積は毎年減少を続け、昭和36年に30万ヘクタールを割り込み、昭和40年には20万ヘクタール以下となり、さらに昭和45年に9万5,500ヘクタール、昭和48年には8万8,000ヘクタールにまで減少した。作付面積の減少につれて生産高も毎年減少し、昭和30年には50万トンだったものが、昭和41年には19万9千トンとなり、昭和48年には11万8,000トンにまで落ち込んだ。
大豆の主な生産地は、戦前、戦後を通じて北海道が第一位であり、次いで岩手、青森、福島、長野、宮城、秋田、新潟などであるが、その他の地方でも全国的に栽培されていた。大豆は畑作物であるので、畑地の多い地域で栽培されたが、伝統的に北海道、東北が主産地であり、さらに関東、九州など畑作地帯で永いあいだ生産されてきた。しかし、他の畑作物との競合関係、また戦前は満州(中国東北地域)、朝鮮からの大豆との競合、戦後は米国産大豆との競合によって、その生産は徐々に減少の傾向をたどった。
豆腐業界、納豆業界ともに、大豆の価格高騰によって、原料の確保が経営面での非常に重要な課題となっている。こうした中で最も重要なことは、いかに高品質で適正な価格の原料大豆を確保することができるかである。
豆腐、納豆メーカーの大手中堅では、原料大豆の通年での安定供給および品質安定を図るため、国内生産者グループと契約しており、これをさらに拡大することでコストも抑えられる“一石二鳥”を狙うケースが増えてきた。
たとえば納豆メーカー中堅のカジノヤ(神奈川)では、3地域3グループから直接調達して、価格も品質も安定した原料を確保している。なお、同社と契約しているの1グループは50〜60人ぐらいだそうだ。
同社は生協を中心に販売網の拡大をめざしているが、生協での売れ筋は小粒大豆(スズマル)使用の商品郡。最近は自然食品中心の販売店などで同社の商品を見る機会が多くなったようだ。
昨年に引き続き、今年もまた、異常な国産大豆高騰の年で終りそうだ。4月の入札で最高値が三重のフクユタカ(中粒60キログラム)で、2万4,199円を付けた。1月は同1万5,100円台。わずか3か月で1.6倍の上昇である。昨年も全銘柄で前年に比べ平均2倍の高値で、業界が右往左往した。
「安定供給、合理的な価格での国産大豆の提供」をうたい、大豆生産の振興に力を入れ「需要拡大」とユーザーへ秋波を送った4、5年前とはうって変わった状況だ。
あの米作の減反や自給率の向上などの旗ふりは、どこに消えたのか。
これに踊らされたのは、国産大豆の8割を使う豆腐業界だった。流通の要請もあり、国産大豆の使用を差別化の切札にと、実際に商品の大半をこれに切り替えた業者は色を失った。原料のコストが、卸価の3割を占めると「作れば作るだけ赤字」という事態が生まれかねない。
普通に考えても60キログラム当たり6,000円を割っていた大豆が3倍以上にハネ上ると、そのコストを吸収する企業は値上げなしには存続し得ない。にもかかわらず、値上げがしずらい状況にあることは多言を要しない。
多くの豆腐業者が国産大豆に走ったのは、それが定番の最下段の商品コストに見合ったからだ。4年前に差別化を掲げながら、差別化にならなかった。そのこだわりのいい加減さと、今回のパニックとは裏表にある。当時も今も、供給過多や過当競争は、何も変わらない。
大豆生産者側の空手形について、これをただすのはむなしい。原料の供給基地として能力不足を露呈しただけのことだと考えると、これを使う側はそのリスクを踏まえて商品化を図る以外にない。
国産大豆の豆腐はおいしい。逆に「おいしいのは国産大豆だ」というステータスをアピールするしかないのではないか。逆説めくが、この垣根が消費者に認識され始めたら、今年に続く国産大豆のパニックも、せめて生きるというものだ。
業界公認の差別化商品として、国産大豆使用表示は「100%使用」を義務付け、定番商品との間に80円以上の価格差を設ける。もちろん、その価格で20円幅でも40円幅でも可能という企業もあるだろう。その我慢が、国産大豆の並ではないリスクに長期に耐えられるかどうか。相当の利益を逸しても一人勝ちを狙っていると思われるが、それができる業界ではない。
また、国産大豆だからといっておいしいとは限らない。おいしいから国産大豆だと担保することが前提。おいしいものは高いという当たり前のことに全力を注いで消費者に伝える。これは、コストの優位だけを競う企業には難題かもしれない。
国産大豆を使っていても並の味しか出せない豆腐は「ひょっとしたら海外の大豆を混ぜているのではないか」という疑念を消費者に持たせるまで、業界あげて徹底したら、しめたものだ。
4月1日に宇佐市と合併した旧大分県宇佐郡安心院町は、大豆の生産で活気付いた町として注目を集めている。国産大豆は現在、価格は高騰し、しかも量不足とあって、原料大豆に国産大豆を標榜する業者の多い豆腐業界を悩ませているが、安心院町に限っては「大豆で元気な農村」ぶりを発揮、昨秋は「農林水産祭・むらづくり部門」で最優秀賞に選ばれるという元気ぶり。そうした安心院町へ「せめてものあやかりを」と視察に訪れる人も多い。
大分県宇佐市安心院町松本地区は通称「イモリ谷」と呼ばれている。この地区に都会からのUターン組も加えて56世帯(176人)が住んでいる。UターンだけでなくIターンもおり、それを加えて3割が都会から移住した人たちだそうだ。
平成12年、当時の安心院町が独自の転作助成金を設置し、それを機にコメから大豆へ大規模な転作を行った。それも足並みそろえて「どうせやるなら全員で」と地区あげての行動だった。
このとき作付けした大豆は、糖度の高い品種として知られるムラユタカ。収穫した大豆は豆腐業1社と全量買い取り契約を結んだ。
今後、国産大豆の収穫量が大きく増えることはまずない。逆に減る可能性の方が大きい。国産大豆から離れるのであればともかく、国産大豆にこだわるとすれば豆腐業も、こうした安心院町のような農村を見つけ、元気な農村になってもらうことを考えねばならない。
日本のカロリーベースの食糧自給率は、昭和40年の73%から昭和50年には54%へと短期間で大きく低下。その後、ほぼ横ばいで推移したが、昭和60年に再び大きく低下し、平成10年以降は40%で推移している。平成14年(2002年)の先進国の食糧自給率を見ると、オーストラリア230%、フランス130%、米国119%、英国74%で、日本は最も低い。また、世界の穀物自給率の試算でも日本は124位で、先進国の中ではアイスランド、オランダに次ぐ低さとなっている。農林水産省は平成12年3月に食糧・農業・農村基本計画を策定し、その中で食糧自給率を平成22年度までに40%から45%に引き上げる目標を記している。
大豆の自給率はというと、搾油用と食用をあわせて4%。食用に限ると自給率は20%を超えているが、食糧全体の自給率40%には及ばない。
| 平成9年 | 平成11年 | 平成12年 | 平成13年 | 平成14年 | 平成15年 | 平成22年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 3% (14%) |
4% (18%) |
5% (23%) |
5% (26%) |
5% (25%) |
4% (22%) |
5% (21%) |
| 15万t (14万t) |
19万t (18万t) |
24万t (23万t) |
27万t (26万t) |
27万t (26万t) |
23万t (22万t) |
25万t (24万t) |
食料自給率を向上するにあたって、最大の問題は農業従事者の減少である。農業従事者の約半数は65歳以上の高齢者であり、後継者不足が深刻となっている。こうした現状をふまえて現在、各都道府県の自治体では会社を退職したサラリーマンやUターン帰省する若者らに対し、就農希望者の受け入れを推進している。以前は、農地を持たない人が農業に携わることは難しかったが、今では農業法人への就職や行政の研修制度の利用などで、容易に就農できるようになった。
将来、農業で生計を立てたいと希望する人は、各自治体に相談窓口があるから、気軽に利用してはいかがだろうか。
2004年、米国では過去最高の生産高を予想、中国、カナダも前年を上回ると見られ、大豆は世界的に豊作となりました。シカゴ大豆の相場も現在、昨年4月に10ドルを越えた最高値の半値近くで、ほぼ安定して推移しています。ところが国産大豆は台風と収穫期の長雨が影響して、収穫量は前年を大きく下回る見込み。しかも第1回の入札では、落札価格が前年同期の6割高となりました。だが、これらの数字だけに踊らされてはいけません。より多くの情報を集めて、確かな分析をしなければ、誤った判断を犯す恐れがあり、市場を混乱しかねません。
大豆情報委員会(全中、全農、全集連主催)の11月30日発表によると、04年国産大豆は作付面積の減少と、台風や長雨の影響で収穫量が前年を下回り、集荷数量は不作だった前年より、さらに15%減少して126,000トンの見込み。そのうち全農は121,000トンで前年比17%減。札幌の集荷だけが前年を25%上回ると見られます。全集連の集荷見込みは5,000トンとなり前年比30%増。各地の生育概況について、北海道は順調に推移し、着さや数も多く、作柄は平年以上に良好と見られますが、東北と関東は収穫時の降雨により一部地域でカビ粒が発生、塩害も見られ、収量、品質ともに低下が懸念されます。北陸も収穫時の長雨で一部に腐敗粒の発生が見られ、収量、品質が大幅に低下。また東海は倒伏や浸水、近畿は冠水、中国、四国は葉の損傷といった台風被害が発生し、いずれも減収の見通し。さらに九州は台風による倒伏とその後の降雨により、着さや数が少なく大幅な減収が予想されます。しかも台風による早期落葉などにより、全体的に小粒傾向となっています。
入札は第1回が11月24日に行われ、1,069トンが落札。平均落札価格は60キログラム13,233円と、前年同期より6割高となりました。最高値は北海道産ツルムスメ(大粒・3等)で15,457円。続く12月8日の第2回入札でも約1,000トンが落札され、価格は北海道産が前回をやや下回ったものの、本州産は全般に高水準となった模様です。
この入札状況について、全納サイドは「収穫量の減少はともかく、前年の高値の影響から04年度は契約栽培が5割を超えた。しかも長雨によって収穫が遅れ、それが品質低下につながり選別にも時間を要している。今後、選別を急ぎ、入札数量を確保するとともに、契約栽培の早期集荷、早期販売を進めることで、市場に流通させていく」としています。
米農務省(USDA)が12月10日に発表した穀物需給報告によると、2004/05年度の世界全体の大豆生産量は、単収の増加が見込まれる米国等で増産するため、前年比21.7%増の2億3,102万トン、消費量は9.2%増の2億832万トンとなり、生産量が消費量を上回るため、期末在庫量は58.2%増の6,057万トン、期末在庫率は9.0ポイント増の29.1%の見込み。
主要国別に見ると、米国の大豆生産高は8,574万トン(前年比28.4%増)で過去最高記録。そのうち輸出用販売は3,740万トンと見られます。作付面積は7,510万エーカー、収穫面積は7,400万エーカーでともに2%増。単収は1エーカー当たり1.16トンとなり28%増となりました。
シカゴ大豆の相場は11月の5ドル割れを底に小反発。大量の在庫持ち越しがあるにもかかわらず、生産者が一般的に出荷を遅らしているため、価格は浮揚してきています。
アジア大豆さび病については少なくとも9州で検出され、来シーズンの大豆作付けの懸念材料となっています。大豆に付着し、単収を減少させるさび病は、今後、他の大豆生産州にも感染することが見込まれ、米国アナリストによると最大で370万エーカーの作付け減少が予想されるともいわれています。
南米ブラジルの生産高は、USDAが11月に下方修正して6,450万トン(22.6%増)の見込みと発表。相場の急落、原油価格の高騰による採算悪化が、南米農家の生産意欲を減退したと見られます。しかし、ブラジル農業省の12月14日発表で上方修正したものの、6,140万トンとUSDA予想より低い。いずれにしても良好な土壌状態で播種されており、収量は良くなることが期待されます。作付面積は2,230万ヘクタールで、昨年より5%の微増。大豆さび病がすでにいくつかの州で検出、懸念されていますが、ブラジルの農家は殺菌剤を散布する習慣があるため、それほど大きな被害には至らないとの見方が強いようです。アルゼンチンの生産高見込みは3,900万トン(14.7%増)。
中国は12月に上方修正されて、1,838万トン(19.3%増)の見込み。成長に望ましい天候によって単収が良くなったことが主な原因です。主要生産地域の7、8月の降雨量は良好で、気温は平年通り、9、10月の収穫期の状況も温かく乾燥。加えて収穫面積も増加しました。輸入動向については、前年度の1,690万トンから2,200万トンに増加すると予想されます。経済発展の著しい中国では、食用油向けを中心とする大豆の需要は旺盛で、過去最高レベルの3,700トンへと拡大する見通し。輸入は今後、上方修正される可能性が高いと見られます。
カナダは290万トンと過去最高水準の生産高が見込まれています。主産地のオンタリオ州が220万トンで前年比10%増。ケベック州は平年並みの50万トン。大豆生産が始まって5年目のマニトバ州では平均を下回ったものの、まだわずかな生産量だけにほとんど影響はありません。品質は、全体的に前年よりたんぱく含量が高く良好のようです。
今年は過去最多の台風が上陸、この影響を受けて野菜の価格は高騰。一時、例年の3〜4倍ほどの値が付くなど、私たちの生活に大きな影響を及ぼしています。農林水産省では緊急の価格調査を開始したほどでした。
国内の大豆の生育状況はどうでしょうか。大豆の需給・価格情報に関する委員会が発表する「平成16年度の国産大豆の生育概況」によると、台風の影響で湿害や倒伏、塩害、早期落葉の被害が発生、着莢数の低下や充実不足などにより減収が予想されています。現在、収穫作業が行われており、最終的な収穫量は判明していませんが、豊作とは決していえない状況です。
このように、今年は相次ぐ天災によって収穫不足が予想されますが、大豆の作付面積が減少傾向にあるという現状も、減収の原因となっています。(※以下、表参照)平成13〜15年までは増加傾向にありましたが、平成16年は前年比90%にとどまりました。主な原因は、大豆より収益性の高い農作物への生産転換が挙げられます。国産大豆は輸入大豆に比べ、単収は約3割少なく、収益性で他の作物に劣るため、その影響が大きく反映されました。
昨年は長雨と冷夏の影響で大豆収穫量が落ち込み、大豆価格の高騰を招きました。2年続けて天候に恵まれなかった大豆生産ですが、自給率の問題も含めて真剣に対策を考える必要があるのではないでしょうか。
| - | 平成13 | 平成14 | 平成15 | 平成16 |
|---|---|---|---|---|
| 全国 | 143,900ha | 149,900ha | 151,900ha | 136,800ha |
| 北海道 | 19,700 ha | 20,000 ha | 19,900 ha | 17,000 ha |
| 東北 | 36,300 ha | 38,300 ha | 41,000 ha | 36,900 ha |
| 関東 | 18,000 ha | 19,200 ha | 19,200 ha | 17,400 ha |
| 北陸 | 18,100 ha | 19,000 ha | 20,100 ha | 16,700 ha |
| 東海 | 8,210 ha | 8,020 ha | 8,780 ha | 8,970 ha |
| 近畿 | 8,250 ha | 8,210 ha | 7,450 ha | 7,290 ha |
| 中四国 | 10,000 ha | 9,880 ha | 9,470 ha | 8,440 ha |
| 九州 | 25,300 ha | 26,300 ha | 25,900 ha | 24,000 ha |
農林水産省農産振興課豆類班によると、2月に開かれた大豆の需給、価格に関する委員会(大豆情報委員会)では、最近の大豆価格の高騰に対する今後の対応方針が検討された。同委員会は、まず、現在の15年産大豆の入札における価格高騰の要因について、(1)国産大豆の価格がメーカーにとって使いやすい水準になり、需要が拡大してきたこと(2)14年産大豆の販売が好調で需要者段階での在庫が少なくなっていること(3)15年産大豆の減産予想が先行して、必要量の確保が危惧されたことーなどの分析結果が示された。
次いで全農からは、15年産大豆の入札価格が現在の高値で推移すれば、国産大豆離れが懸念される、早急に価格の適正化を図るため、(1)入札取引については1月に引き続き2月以降も大量上場を実施し、入札取引数量を61,000トンとすること(2)契約栽培については、播種契約数量49,000トンのうち、現段階ではその9割強にあたる45,000トンの受け渡しを見込み、7割の銘柄では契約どおりの受け渡しが可能であること、また、契約数量の確保が困難な3割の銘柄では可能な限り受け渡し数量の積み上げに努力すること(3)相対取引については、国産大豆を継続的・安定的に使用する大口を中心に直ちに開始し、その取引数量は40,000トンを予定していることーなどが販売計画として提案された。
これに対して実需者側の委員会からは、現在のような状況が続けば、これまで安定的に国産大豆を使用し、国産大豆の確実な供給を要望している実需者に必要量が供給できず、せっかく拡大してきた国産大豆の需要が減少する懸念がある、早急に適切な対応を望むーとの意見が出ていた。
気になる2003年度国産大豆の生育状況は、農林水産省の10月末の調査によると、東日本では低温・日照不足、西日本では降雨による播種作業の遅れのため、ほぼ全国的に生育の遅れやバラツキが見られ、生育量やさやの付き具合が良くないという。このため、作柄は平年を下回る見込み。
また同時期に発表された2002年度産大豆の販売方法別販売状況をみると、入札による販売が約38%、契約栽培が約10%と前年と比較し倍程度の割合となり、相対販売は約52%と前年の7割程度となっている。これは、消費者の国産大豆志向の高まりや、今年度産大豆の品薄感を予測した実需者の、前もって大豆を確保しようという思惑によるものだ。豆腐や納豆の原料原産地表示が義務付けの方向で進んでおり、アメリカの遺伝子組み換え大豆作付けの増加もあって、今後も国産志向が高まり、契約栽培の割合が増えるのは間違いない。
そこで農林水産省は、実需者が期待する高品質大豆を供給するため、最新の生産技術を生産者に紹介しようと、研究成果を取りまとめたパンフレット「新たな産地作りへのステップ」を発行、啓発に努めている。ここでは、北海道での「ユキホマレ」の遅まき栽培、東北での淡緑色の豆腐ができる青大豆「青丸くん」の開発、ガンなどを抑制するイソフラボン含量が高い大豆「ふくいぶき」の開発、青臭みの少ないリポキシゲナーゼ欠失大豆「すずさやか」の開発、関東・東海や九州・四国での早生・短茎の耐倒伏性・多収品種「サチユタカ」の開発など、最新の大豆生産技術情報が紹介されている。
国産大豆の生産量は、ここ数年大幅増が続いていたが、2002年度の大豆の国内生産量が約27万トンと前年比0.4%減。今年も長梅雨と8月半ばまでの冷夏が影響し、2年連続の前年割れが予想される。
農林水産省は10月9日、2002年度の食料需給表を発表した。これによると、2002年度の食料自給率(カロリー換算)は40%と、5年連続で横ばいとなった。この食料自給率とは、国民が消費した食料を国内生産でどの程度確保しているかを示す指標である。
その中の種別・品目別で大豆を見てみると、大豆の国内自給率は、3年連続で5%と横ばい。1995年度の2%からは回復したものの、その後伸びない。小麦(11%)などと比べても自給率の低さが目立つ。しかし大豆食品の健康機能が注目されるなど、国内の大豆消費量は前年比4%増えている。国民1人の1年当たり供給数量は、6.7キログラムと前年から0.1キログラム増加した。大豆消費量の増加分は、503万9,000トンと前年比4%増加した輸入大豆でまかなったことになる。それでは今後、国産大豆の生産増は見込めないのか。
農林水産省は、10月3日に平成16年産大豆の交付金単価を決定したが「実需者ニーズに応じた品質評価のあり方と、その交付金制度運用への反映について検討を重ねていく方針」だという。交付金単価が、60キログラム当たり8,120円と前年より100円減。一方、担い手支援・良質大豆生産誘導対策が60キログラム当たり200円で前年より100円増。つまり全体的な補助金は減らすが、品質を重視し、良質の大豆を作る農家への補助を厚くするというわけだ。国産大豆は「量より質」の時代に入っているのである。
バイオ作物懇談会が国内で遺伝子組み換え大豆を試験栽培する動きをみせ、それを阻止する運動が盛り上がっている。その反対運動を支えるのが、大豆畑トラスト運動である。
遺伝子組み換え作物反対運動が本格的に始まったのは、1996年に世界48か国300以上の消費者団体による「遺伝子組み換え食品いらない! キャンペーン」がきっかけ。日本でも「今後、遺伝子組み換えが増えるであろう輸入大豆に頼るのでなく、生産者が身近にいる安心な国産大豆の生産を増やそう」という気運が高まり、1998年から大豆畑トラスト運動が始まった。
大豆畑トラスト運動は、信頼できる生産者や自分たちで畑に大豆を植え、できた大豆を分け合って食べることで、国内の自給率を少しでも上げ、輸入大豆に頼らないようにしようというもの。消費者が大豆生産地の一定区画のオーナーとなり、年に何度か生産者とともに農作業を体験、収穫した大豆を加工して食べる。オーナー料金は1口10坪で3,000円から4,000円程度。消費者は、種まき、草取り、収穫から、味噌作り・豆腐作りなどを生産地で行う。無農薬、無化学肥料栽培の場合が多く、生産者は手間がかかるが、1反(300坪)当たり12万円の収入になり(一口4,000円の場合)、採算性があるため協力する農家の人も多い。
現在は、全国50か所以上で大豆畑トラスト運動が行われている。運動が始まった翌年の1999年には爆発的に伸びた参加者数もここ数年間伸び悩み気味だった。それがこのところの豆乳ブームや、家庭で豆腐作りが簡単にできるという意識が高まったことで、「自分で作った大豆で豆腐を作りたい」と、再び注目されている。
国産大豆で作った豆腐、納豆などはおいしいと言われてきたが、実際の品質面でどのような特徴があるのだろうか。
大豆の品質は、外観品質と子実成分とに分けられる。外観品質とは「見た目」である。大豆の姿がそのまま残る煮豆原料は、大粒が多い国産大豆が適している。極大粒の黒豆品種は、輸入大豆にはほとんどない品種だ。また大粒は、子実に占める種皮の割合が低いので豆腐、みその加工効率がいい。最近、納豆では「極小粒」が好まれる傾向があるが、粒の小ささでは中国産など輸入大豆が適している。
子実成分とは、大豆に含まれる成分のことであり、特にたんぱく質、脂質、糖質の多少が加工適性を大きく左右する。一般に国産大豆はたんぱく質が多い。5訂日本食品標準成分表では、100グラム当たりのたんぱく質が国産は35.3%、米国産が33%、中国産が32.8%となっている。その分、外国産大豆は脂質が多くなっている。これは外国産大豆はもともと大豆油を取るために栽培されていたからだ。
たんぱく質含量の多少は、豆乳中の固形分抽出率と比例する。豆腐原料として評価の高いエンレイ、フクユタカは、たんぱく質含有率が42〜45%と高い。
糖質については、全糖含量の高い大豆は、吸水性、保水性に優れ、蒸煮大豆が軟らかくなりやすい。豆腐では、糖質が高くたんぱく質が低い品種があまく食味がいいとされる場合が多い。加工適性は良くない低たんぱく質大豆が豆腐に使われることもあるのは、食味が良いためだ。
脂質についても、脂質含量と豆乳中の固形分抽出率とは正比例する。脂肪の多い原料からは色調の明るい豆腐が製造される。豆乳ゲル化過程で脂肪球が核となり、その周辺にたんぱく質粒子が凝集・結合することが明らかにされたことから、豆腐製造における脂肪の重要性が再認識されている。

豆腐と魚のすり身を合わせた「とうふちくわ」は、鳥取県の名産。昨年11月には鳥取市観光協会主催で「世界とうふちくわ会議」を開催して「鳥取とうふちくわ総研」チームを作り、全国展開を図っている。そんな鳥取県では豆腐に対する愛着も人一倍。様々な地産地消活動が行われている。
5月には県内の量販店21店舗で「鳥取県産100%大豆」の赤い統一マークを付けた豆腐の試食販売キャンペーンが行われた。これは鳥取県産大豆の“地産地消”進めようと、鳥取県豆腐組合(佐藤満組合長)加盟の7業者など、計10業者が開発した「こだわり豆腐」だ。
この事業は、鳥取県が呼び掛け、県内の豆腐業者が応えた形で実現したもの。県は開発費、販促費合わせて約170万円を予算に計上して支援。
この「こだわり豆腐」は、サチユタカとすずこがねの大豆2品種を原料とし、各業者が木綿豆腐を中心に製造。価格は400グラム100円から158円で、通常商品と同じか、ところによっては2〜3割ほど高く設定されている。

ホテルグランヴィア京都で開かれた京都府豆腐油揚商工組合の新年懇親会。
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社史を読むだけでも永持孝之進名誉会長経営哲学が見える1冊。
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