豆腐横丁

「第6回国産大豆サミットin大阪」パネルディスカッション(Part4)

2009-10-7

山下 岡田さんはプライドが傷つけられて落ち込んだとき、どのように乗り越えてきたのか。

岡田 自分のスタンスに自信を持つことができたエピソードが3つある。1つは父親から学んだこと。

父親は弁護士をめざして大学を卒業したものの、祖父に泣きつかれてやむなく家業のしょう油屋を継いだ。そして最高級の「もろみしょう油」を作ったのだが、それができたとき家業に可能性を見いだせたという。「ものを作る立場になって、初めておもしろさとすばらしさに目覚めた」と話していた。

次に、米国留学中に出会った友人から「家業は宝物」と言われたひと言。

そして最後は、海外のシェフたちに評価してもらえたこと。

6年前、イタリア・トリノで開かれたスローフードの展示会に行ったとき、バルサミコを出品している数社に「どこのバルサミコが一番おいしいか」と質問したところ、みんな「自社製品が一番」と答えるが、そのあと必ず他社の良い製品も褒めた。これは、すごいことだと思った。海外のものづくりをしている人たちはプライドと誇りを持ち、同業者の連帯感が強く、他社を認める度量がある。そのことに感心した。

日本では残念ながら、横の連絡がほとんどない。しょう油屋も豆腐屋も、めざしているところは同じなのに。

フランスのシェフたちも、私の話を一生懸命に聞いてくれるし、一生懸命に質問をしてくる。話をしていてすごく気持ちがいい。日本人のものづくりに対するプライドや誇りは失われつつあるが、海外から見るとそれは大変なことだと気付く。海外の人たちはものづくりに対する尊敬と敬意が根底にあり、ものを作る人、それを料理する人、食べる人はみんなチームで、誰かが偉いという発想はない。

イタリアのある店で、食材やワインの製造業者が激しい議論をしていたのを見て、作ることと食べることへの真剣さを知った。そうした人たちに自分のものづくりを認めてもらえることは、大きな力になる。

この3つが、自分の仕事に対するスタンスをキープできるエピソードになっている。(続く)

パネリスト

  • 棚橋道勝さん=棚橋食品社長(滋賀)
  • 三好岩雄さん=三好商店社長(大阪)
  • 林浩二さん=近喜社長(京都)
  • 井川清さん=井川商店主(大阪)、大阪府豆腐油揚商工組合青年部部長

コーディネーター

  • 山下浩希さん=山下ミツ商店社長(石川)

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