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山下 岡田さんはプライドが傷つけられて落ち込んだとき、どのように乗り越えてきたのか。
岡田 自分のスタンスに自信を持つことができたエピソードが3つある。1つは父親から学んだこと。
父親は弁護士をめざして大学を卒業したものの、祖父に泣きつかれてやむなく家業のしょう油屋を継いだ。そして最高級の「もろみしょう油」を作ったのだが、それができたとき家業に可能性を見いだせたという。「ものを作る立場になって、初めておもしろさとすばらしさに目覚めた」と話していた。
次に、米国留学中に出会った友人から「家業は宝物」と言われたひと言。
そして最後は、海外のシェフたちに評価してもらえたこと。
6年前、イタリア・トリノで開かれたスローフードの展示会に行ったとき、バルサミコを出品している数社に「どこのバルサミコが一番おいしいか」と質問したところ、みんな「自社製品が一番」と答えるが、そのあと必ず他社の良い製品も褒めた。これは、すごいことだと思った。海外のものづくりをしている人たちはプライドと誇りを持ち、同業者の連帯感が強く、他社を認める度量がある。そのことに感心した。
日本では残念ながら、横の連絡がほとんどない。しょう油屋も豆腐屋も、めざしているところは同じなのに。
フランスのシェフたちも、私の話を一生懸命に聞いてくれるし、一生懸命に質問をしてくる。話をしていてすごく気持ちがいい。日本人のものづくりに対するプライドや誇りは失われつつあるが、海外から見るとそれは大変なことだと気付く。海外の人たちはものづくりに対する尊敬と敬意が根底にあり、ものを作る人、それを料理する人、食べる人はみんなチームで、誰かが偉いという発想はない。
イタリアのある店で、食材やワインの製造業者が激しい議論をしていたのを見て、作ることと食べることへの真剣さを知った。そうした人たちに自分のものづくりを認めてもらえることは、大きな力になる。
この3つが、自分の仕事に対するスタンスをキープできるエピソードになっている。(続く)

ホテルグランヴィア京都で開かれた京都府豆腐油揚商工組合の新年懇親会。
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社史を読むだけでも永持孝之進名誉会長経営哲学が見える1冊。
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