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▽豆腐は冷蔵庫になくてはならない食品。昔は、豆腐を買い置きすることはなかったが、今は1週間も日持ちがする。
▼豆腐には消費期限がある。町店の豆腐は2〜3日、スーパーで売っている豆腐は1週間程度で、さらに地方から流通して来る豆腐は10日〜2週間。
以前に消費者から「町の豆腐店が不衛生だから日持ちがしないのか」との質問があった。
昔は防腐剤を使っていたが、問題になって今はほとんど使われていない。消費期限の違いは、水にさらして売っているのが町店の豆腐。消費期限1週間の場合は、出来たての豆腐を一気に冷却層に入れて、菌が繁殖しやすい時間帯を短くしている。2週間の日持ちがする豆腐は、ボイル殺菌後に冷却している。こうして消費期限に違いに出る。
▽豆腐の消費期限の違いなど、一般の消費者は知らない。そうした説明をもっとPRしてほしい。豆腐は本当に欠かせない食品。いくら物価が上がっても豆腐の価格はたかが知れているし、さまざまな料理に使える。
▼表示については、消費者から求められることがあまりにも多すぎて、すべてを記載すると見えないくらい小さな文字になってしまう。
一方では、何も表示しなくてもよいとの意見も聞く。問い合わせがあったときに大豆の産地など、きちんと説明できる状況を担保していれば、互いの信頼関係の中で問題はない。
▽表示は大切だが、正直なところ、あまり見ない。短い文章で分かりやすく書いてほしい。豆腐は本当に身近で、安心して食べているから、消費者の間で豆腐が話題になることはあまりない」
▽おいしいものは多少高くても買う。個々にニーズは違うから、それぞれに合ったものが必要だと思うが、国産の大豆で作った豆腐をもっと提供してもらいたい。
▼日本の自給率をアップさせたい。イギリスでは40%から70%に上昇した。日本でも可能なのだろうか。自給率が高まれば国力が上がって、外国と対等な立場になれる。休耕田もたくさんあることだし。自店では国産大豆のみを使用しているが、会社の利益のためには輸入大豆を使ったほうがいいという選択肢もある。
国産大豆の豆腐を求める人はいるものの、安ければよいという人が圧倒的に多い。どうすれば自給率を上げることができるのか。
▽国産大豆使用など、徹底したPRが消費者を安心させることにつながる。
▽いろんな人がいるから、安い豆腐も必要。晴れの日など、たまに高級豆腐を買うこともあるが、普段は600グラム98円の豆腐を食べている。
▽低価格が問題。スーパーの棚では68円の安価な豆腐が下段に並んでいるが、消費者の所得は確実に低下して、暮らしが厳しくなり。アンケート調査では食費を減らしたいと思っている人が増えている。豆腐業者は、いかに商品の特色に意味を持たせるか、消費者はそれを理解するかが重要。
▽食料はカロリー的に飽和状態。新商品が発売されると、既存商品の売り上げが減る。豆腐・油揚げは成熟市場で、人口も減少傾向にあり、今後飛躍的に伸びることはまずない。だから大手の豆腐メーカーがスーパーと組んでシェアを広げていけば、町の豆腐店は減っていく。
町の豆腐店が生き残るためには、特徴のある商品を作るしかない。商品の付加価値を高め、顧客との絆を深めていくことが正しい選択だと思う。そして、消費者のトレンドをしっかり把握すること。現在は価格へのマインドが非常に強い。格差社会が進行し、安価な商品しか買えない消費者層が増えている。この状況を無視することはできない。
また売り場を見ると、1丁400グラムといった量目の多い豆腐は売れていない。1丁150グラムの2連パックなどが売れている。核家族化、個食化が進む中で、それに対応する必要がある。京都生協でも1丁300グラム以下の豆腐が半分近くを占めている。ここ10年間で豆腐1丁の量目は少しずつ減り、それに伴って価格も低下している。
最近はデザート感覚の豆腐のアイテムも増え、売れ行きも良い。その分、従来の豆腐の消費量は減っていくだろう。これも豆腐のトレンドとして注視したい。
こうした現状を踏まえた上で、自店はどのような戦略、哲学で経営していくのか、その場合のターゲットは誰か。それをはっきりさせなければならない。消費者動向は日々変化していくため、商品の品質向上はもちろんだが、お客の声に耳を傾けて上手に付き合っていくことが大切だと思う。
▼会社経営はボランティアではないから、収益を出すためにコスト削減は避けて通れない。
ただ、その気になればもっと低コストで豆腐を作ることはできるが、当然のことながら味も落ちる。そうすると、消費者の豆腐離れが起こるのではないか。
少子高齢化が進み、日本の人口は間違いなく減少する。まずい豆腐を作っていたら、ますます消費は落ち込む。すでに「最近の豆腐は味が落ちた」との消費者の声を聞くことは少なくない。
1丁300グラムの豆腐だと、1俵(60キログラム)の大豆から400丁以上作れる。700丁作ることも可能。多く作れば作るほど、コストが抑えられ、安く売れる。味もある程度は維持できる。ただ、そんな豆腐は水を多く含ませているから、時間がたつと大量に離水する。
▽安い豆腐でも食べ方を工夫すればおいしくなる。それを提案してくれればいい。今の若者は豆腐にラー油をかけて食べるなどアレンジして楽しみながら味わっている。作り手の苦労もあるだろうが、食卓のイメージがまったく伝わってこない。食べ方の提案を、業界を挙げてしてもらいたい。
▼製造業者と消費者は、その間に販売業者が入るから、どうしても距離感がある。豆腐にもさまざまな種類があるが、今売れているのは「その他」の分野。それだけ多様化しているということ。
消費者は正直なもので、おいしくない商品は売れない。作り手や売り手が仕掛けてトレンドを作るのではなく、消費者が本当に求める豆腐を提供し、距離感を縮める努力が必要だ。(続く)

ホテルグランヴィア京都で開かれた京都府豆腐油揚商工組合の新年懇親会。
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社史を読むだけでも永持孝之進名誉会長経営哲学が見える1冊。
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